「治験コーディネーターに転職したいけど、どんなやりがいがあるのかな?」
本記事は、こんな方のための記事です。
私は治験コーディネーターとして7年間働いた経験があります。
そんな私が考える、治験コーディネーターの仕事のやりがいをご紹介します!
自分が担当した薬が承認される
まず、1番大きなやりがいは「自分が担当した薬が承認される」ということではないでしょうか。
自分が担当したものが世に出るというのは、この上ない喜びです。
私の元同僚は、発売した薬が初めて記載された『今日の治療薬』(治療薬解説書のベストセラー)を記念に購入して、デスクにいつも置いていました。
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価格:5,280円 |
ただし、試験の結果、薬の効果が認められなければ承認されないこともあります。
また、試験期間が長い試験であれば数年を要するので、承認される前に自分が異動したり担当交代したりする可能性があります。
「試験の終了」という区切りがあることも達成感があり、私は好きな部分でした。
ゴールがあるというのは、日々奮闘するモチベーションになっていました。
看護師で言うと、このようなゴールは「患者さんの退院」にあたるでしょうか。
自分の働きかけで売り上げに貢献できる
こちらも、看護師にはない、治験コーディネーター独特の価値観と言えると思います。
治験コーディネーター(院内治験コーディネーター)と、SMO(Site Management Organization:治験施設支援機関)所属の治験コーディネーター病院に所属しているに分けて説明します。
院内治験コーディネーターの場合
看護師の場合、物品のコスト管理やDPC制度によってお金の動きについて、意識することはあったかもしれません。
しかし、病院経営の赤字をいち看護師が気にして働いていることは稀ではないでしょうか。
治験コーディネーターに転職すると、看護師時代より売り上げについて考える事が多いかと思います。
なぜなら、治験コーディネーターの売り上げは、1症例が治験に参加すると○円、副作用の対応をすると○円、という契約を結ぶことが多いからです。
このような契約に関しては、試験開始前に製薬会社側と話し合います。
話し合い段階から参加することや、製薬会社側への費用請求も治験コーディネーターの仕事であるため、売り上げを意識していくようになります。
医師に対する治験コーディネーターの働きかけや、患者さんへの説明の仕方によって患者さんが治験に参加してくれるかが決まる(=売り上げが決まる)面もあります。
SMO所属の治験コーディネーターの場合
SMO所属の治験コーディネーターは、院内治験コーデーよりも更に会社員としてお金の動きを意識することになります。
看護師は「病院」所属であったのに対し、SMOの治験コーディネーターは「株式会社」所属です。
利益を出して行かなければ、会社は存続できません。
SMOの治験コーディネーターの場合は、評価基準の1番が「どれだけ売り上げを上げたか」になることが多いです。
SMO所属の治験コーディネーターは評価によっても若干ボーナスも変わってくるので、その辺りもやる気につながっていました。
看護師時代は評価面談はあったような気がしますが、評価の基準も曖昧に感じていました。
私個人としては、この評価基準がハッキリしているところも好ましく思う点のひとつです。
これらの治験コーディネーター特有のお金との向き合い方を、「仕事をするモチベーションが上がる」と捉えるか、「お金を意識しないでただ患者さんのために仕事をしたい」と捉えるかで治験コーディネーターの仕事を楽しく続けられるかが変わってきます。
医師に信頼される
これは看護師でも同様かもしれません。
しかし、治験コーディネーターは基本的に 1人の治験責任医師の補佐として1人の治験コーディネーターが担当するので、信頼関係は重要です。
医師に信頼されると他の試験でもご指名があったり、逆に「この治験コーディネーターはあまり合わないと思うなぁ」とやんわり話があったりもします。
そういった医師の意見に従うか否かは、所属する病院やSMOの考え方次第です。
治験コーディネータは医師の補佐的な役割なので、医師に信頼してもらえることで仕事がスムーズに進むことは間違いありません。
患者さんと長期的に関わることができる
試験によりますが、長い場合、患者さんとのお付き合いは数年にわたります。
看護師の場合、急性期病院は特にDPC制度の関係で、長くても数ヶ月の事が多いと思います。
私は看護師時代プライマリーナース制の病棟で働いていましたが、自分の担当の患者さんであっても夜勤が続いたり休みを挟んだりすると、結局あまり担当することもできず退院になってしまうこともありました。
基本的に治験コーディネーターは、担当患者さんには自分が関わっていくので、看護師よりも密に長期間関われた事がとても嬉しかったです。
長い付き合いになる分、信頼関係もでき、時にはお喋りを交えて接することもできました。
長期に担当させていただいた患者さんの病状が良くなった時、また試験終了時は感無量です。
逆に、あまり気の合わない患者さんの場合も、長期間関わっていくことになります。
ただ、治験に参加していただく患者さんはたくさんの基準をクリアし、治験のルールが守れそうな患者さんですので、私の印象では治験コーディネーターにも良くしてくださることが多かったです。
まとめ 治験コーディネーターのやりがいは?
以下4点が、治験コーディネーターとして7年間働いた私が考える、治験コーディネーターのやりがいです。
- 自分が担当した薬が承認される
- 自分の働きかけで売り上げに貢献できる
- 医師に信頼される
- 患者さんと長期的に関わることができる
これらをやりがいと感じられる方は、治験コーディネーターの仕事が楽しめるのではないでしょうか。
医療関係の仕事で働いていた方も、全く異なるやりがいに出会えると思います!
ぜひ、治験コーディネーターとして働いてみて、皆さんならではのやりがいも感じてみてくださいね。